自殺未遂…ファンキーな母親と命名された日のこと【ポンコツなままの人生#1】
どうもポンコツ人間そらまめです。
まず私の人生に欠かせないのが「ファンキーな母」です。
それまでは「ちょっと問題のある母」と周りには伝えしていました。なぜファンキーな母と言うようになったかというと、以前働いていた職場で起きたとある事件がきっかけです。
当時埼玉に住んでいた私と母は、些細な事で言い合いすることが多く、ギクシャクしていました。一緒に暮らしていたわけではないのですが、毒親といわれるほとんどの親が「子離れできていない」といわれるように、私の母も私に依存していました。
些細な親子喧嘩も、普通なら時間を置けば解決するようなことなのかもしれませんが精神を病んでいる母親の場合、そうはいきません。
毎日謝罪とみせかけた嫌みなメールが送られてきます。そしてしつこい…
私も面倒くさくなり、適当にあしらっていた気がします。
そんなある日、a社の携帯ショップ店員として仕事をしていた私の元に母からメールが届きました。
「見捨てないでほしい…」「もう終わりにしたい…」そんな内容だったと思います。
まぁいかんせん仕事中なので書類を整理しながら適当にあしらっていましたが、実の母を持て余していた私にとって、それはテンションを下げるには十分でした。
「やってらんないわ~」とよく話す男性スタッフに携帯を見せながら「どうしよう、持て余すんですけどっ!」などと冗談交じりに愚痴っておりました。
その男性スタッフも携帯画面を見ながら「これは面倒くさいねぇ~」なんて笑いながらメッセージの履歴を見ていました。
その時です…
「そらまめ!ヤバい!」と、突然男性スタッフが言い放ちました。
何?何?と男性スタッフから向けられた携帯画面を見ると
『手首切った』の文字が…
ドーーーンとエルボーくらった感じでした。
メンヘラの恋人を持ったことがある人はわかると思いますが、言われた側としては、うわぁ~って思いながらも、もう失笑なんです。
実際当てつけなことは嫌なほどわかってる。とはいえ、「手首切った」と言われちゃったら何か対処にないといけないんです。もしものことがあるからね。
その男性スタッフは同い年のチャラ男さんで、6人ほど各所に子供がいるポンコツ男でした。そういうチャラ男さんは大体経験してるので、「どうすんの?」と失笑してました。
私は素直に、死なないと思うんだけど勢い余って、万が一傷が深いと困ると伝えました。昔母は、父とケンカした際にどうしてそうなるのか理解できませんが、小指を詰めたことがあります。なので左手の小指の第一関節から上はありません。母は追い詰めるととことん切っちゃう性格なのです。
それでも、大丈夫だろうという娘としての直感がありました。しかし、ほっとくには大きな問題があったのです。
実は、私が結婚して埼玉に住んでいたころ刑期を終えて母が出所したのですが、行くところがないのでしばらく自宅で引き取りました。とはいえ旦那の家に嫁いで義理母もいるので一緒に暮らすのは無理。なのでとりあえず近場に住んでもらうことにしました。
その時は携帯ショップではなく、埼玉で結構有名な不動産のグループ会社に勤めていたので、母の「生活保護」&「出所したばかり」という難題を自社物件で解決させてもらうことができました。
その時はラッキーと思っていましたが、母親のせいで自社物件が事故物件になりそうな時は最悪でしかありません。しかもさらに厄介なことに母が住んでいたのは代表の物件だったのです。
要するに昔勤めていた会社の代表が所有しているアパートで、母親が手首を切るという事件が起きたのです。
当時できるだけ母との縁を切りたかった私としてはとにかくほっときたかったのですが、万が一のことがあっては「すみません」じゃ済まされません。手続きをしてくれた部長や、会社にも恩があります。
とはいえ勤務中…。母の為に駆けつけるとて、今の職場に迷惑が掛かってしまう…。ほっておきたいが、もしもがあったら前の会社に迷惑が掛かってしまう…。
私がポンコツだからかもしれませんが、その時は母の心配より自分の社会的立場を危惧しておりました。
そこで私がとった行動はめんどくさいので第三者に任せることにしました。
110番… そう、ヒーローの召喚です。
母が自殺をほのめかす連絡がきた。しかし私は勤務中ですぐに向かうことが出来ない。ヘルプミー!と通報しました。
これで母の安否は確認できるし、何かあっても大丈夫!さらに母の嫌いな警察を送り込むことができ、我ながら完璧な対応だと思いました。
警察への通報が済んだ後、チャラ男のスタッフからひと言。
「ファンキーなお母さんだね」
「…⁉」
この瞬間、「ファンキーな母」という素晴らしいネーミングが誕生しました。
新しいネーミングを手に入れ、めでたしめでたしと、やり切った感じで書類を整理を再開していたのですが、これで終わりという訳にはいきませんでした。
しばらくすると警察から連絡きて、今すぐ母の家に来いと…
こちらとしては、そっちで解決してくれるとばかり思っていたので、勤務中ですぐに動けないと駄々をこねてみましたが、努力も虚しく今度は私が警察に召喚されてしまいました。
母の家に着くと、警察官数名と救急車となぜか前職の不動産の職員1名で賑わっておりました。前職の方とは顔見知りぐらいだったのですが、なぜここにいるんだ!?とびっくりしていたら、警察の方から管理会社の方に合鍵を持ってきてもらったと説明を受けました。
前職の会社には秘密裏に事を進めたかったので、余計なことを…と内心思いましたが、「母がご迷惑をおかけして申し訳ございません」と伝えると、めっちゃくちゃ同情した顔で「大丈夫だよ」とほほ笑んでくれたので良かったです。
人生とは思い通りにいかないものですね。
私の想定としては
母の家に警察が行く
↓
何事もない
↓
解散!
しかし、実際は
母の家に警察が行く
↓
同時進行で万が一の場合を想定し、管理会社に連絡。現地で鍵を受け取る。(前職の職員)召喚
↓
実際腕を負傷していたので、救急車召喚。
↓
母は搬送されることを嫌がる
↓
警察としてはこのまま帰れないので、家族(私)召喚
という流れで、結果狭いアパートがめっちゃ賑わいました。
そそくさと早退して母の家に向かえば良かったのでしょうか?しかし母の家まで職場から30分以上かかります。結局、色々と迷惑をかけたてしまいましたが、「もしも」を想定して警察に連絡したことは間違ってないかなぁと…思いたい。
皆様も家族から「腕を切った」と職場で連絡を受けたら、迷わず警察を呼んでくださいね。
■追伸■
結局、母はうっすら切っただけでした。そんなことだろうとは思いましたが事故物件にならずに済んでよかったです。